扁桃炎
口を大きく開けた際に見えるのどの奥の口蓋垂の左右にある扁桃が病原体に感染して炎症を起こしている状態です。大きく腫れて唾を飲み込む際にも強い痛みを生じることがあります。子供や若い世代の発症が多く、小学生までは腎炎やリウマチ熱、心内膜炎などを合併する可能性がありますので特に注意が必要です。
急性咽頭炎
鼻の奥から食道との境界までの範囲である咽頭の粘膜やリンパ組織に病原体が感染して炎症を起こしている状態です。細菌とウイルスの感染を合併することもあります。のどの痛みや嚥下痛、発熱などを起こします。治療に加えて十分な睡眠や栄養・水分補給、加湿を心がけることも重要です。
急性喉頭炎
食道との境界より下の部分である喉頭に炎症を起こしている状態です。病原体による感染、アレルギー、喫煙などによって生じ、のどの痛み、声枯れや声のかすれ、咳、発熱などを起こします。また、呼吸のしづらさを生じることもあり、急激な呼吸困難を起こすケースも存在しますので注意が必要です。
扁桃肥大
のどの奥にある口蓋扁桃が肥大し、呼吸しづらい、飲食物を飲み込みづらいといった症状を起こします。扁桃肥大は3歳頃に生じて7歳頃にピークとなり、10歳頃に小さくなるという経過を辿ります。いびきや睡眠時無呼吸などの睡眠障害を起こすこともあり、肥大による障害によっては手術が必要になる場合もあります。
アデノイド肥大
鼻の奥とのどの間にあるアデノイドはリンパ組織の塊であり、2歳頃に大きくなり始めて6歳頃にピークを迎え、10歳頃に小さくなるという経過を辿ります。中耳炎や副鼻腔炎を繰り返すと慢性化させやすく、呼吸障害やいびき・睡眠時無呼吸を起こすこともあります。症状が強い場合には手術が必要になります。
嚥下障害
食べ物を上手く飲み込めない状態で、加齢や脳卒中の後遺症、のどや食道の腫瘍、神経や筋肉の障害など、様々な原因によって生じます。食事中にむせる、食後に痰が出るなどによって気付くこともあります。高齢者の死因として多い嚥下性肺炎を起こさないためにも、治療に加えて、飲み込みやすい食事を摂るといった工夫を行うことも重要です。